YouTubeを始めようといざ動画撮影してみると、「大事なところでブレてしまった」「余計なものが入ってる」という経験はありませんか。
普段からカメラで写真を撮る人でも、動画撮影となると勝手が違って戸惑うこともあるでしょう。
実は動画撮影と写真撮影には、カメラ設定が異なる点があるのです。
そこで今回は、動画撮影のよくある失敗談とあわせて、カメラ設定や事前準備について紹介します。
カメラが手元にある方は、文章を読み進めながら実際に操作してみましょう。
YouTube動画撮影でよくある失敗談
YouTubeの動画撮影をしていて、こんな失敗をしたことはありませんか。
・被写体が暗くなった
・大事なところでブレた
・データが重くなった
・SDカードがすぐ一杯になった
・途中でバッテリーが切れた
・余計なものが映り込んだ
・録画ボタンが押せていなかった
・設定を戻し忘れ、ずっとスローモーションで撮れてしまった
・よく分からないけどイメージ通りではない
せっかく撮影をしたにもかかわらず綺麗に撮れていないと、もう撮る気が無くなってしまいますよね。
「設定の戻し忘れ」「録画ボタンの押し忘れ」のような失敗は、自分で注意しておけばよい内容ですが、その他はちょっとした予備知識を身につけることで解決できます。
それでは、動画撮影におけるカメラの基本設定について説明します。
YouTube動画撮影におけるカメラの基本設定
動画撮影で重要な要素は5つです。
・F値(絞り)
・シャッタースピード
・ISO
・記録サイズ
・フレームレート
それぞれシーンに合わせて設定を変えることで、イメージに近い動画を撮影することができます。
F値
F値は、撮りたいイメージによって数値が異なります。
F値とは、カメラに取り込む光の量を数値化したもので、明るさとボケ感を出すために設定します。
ボケ感はピントが合う範囲(被写界深度)を調整することで変わり、F値を低くするほど背景にボケ感を出すことができ、高くするほど全体にピントの合った映像を撮ることが可能です。
写真を例にすると、背景にボケ感をだすと被写体の魅力を引き出すことができますし、全体にピントを合わせると被写体がいる場所の空気感まで見る側に伝えることができます。
数値を上げたり下げたりして、どの値が一番イメージに近いか試してみると良いですね。
注意点としては、F値によって明るさも変わるので、後述するシャッタースピードやISOとのバランスも考えなければなりません。
シャッタースピード
動画撮影の場合のシャッタースピード(ss)は、遅く固定します。
数値は、後述のフレームレート(fps)の倍の値にすると、最も自然な動きで撮影できます。
30fpsなら1/60ss、60fpsなら1/120ssというようにですね。
シャッタースピードとは、シャッターが開いている時間のことです。
写真の場合と動画の場合で考え方が異なるため、注意しましょう。
写真の場合は、シャッタースピードを速くすると動いているものの動きが止まったように写すことができ、遅くするとブレたような写真を撮ることができます。
滝を例にすると、シャッタースピードが速い時には水の流れが止まったようになり、水しぶきまではっきり写ります。逆に遅い時には、絹を垂らしたような幻想的な景色を写真におさめることができます。
しかし何故、動画の場合はシャッタースピードを遅くする必要があるのでしょうか?
例えば、桜の写真を1/1000ssで撮影したとしましょう。1枚1枚は綺麗な桜の写真
となりますが、写真を並べて動画にしてみると、滑らかにならずにパラパラ漫画のような動画になってしまうのです。
動画を編集するところを見たことがある方はわかるかもしれませんが、動画というのはたくさんの写真をつなげたものです。
写真の場合は1枚1枚綺麗で問題ないのですが、動画の場合は少しブレていないと滑らかに見えません。そこでわざとブレさせるために、シャッタースピードは遅くする必要があるわけです。
また注意したいのが、蛍光灯がチラつく「フリッカー」です。
肉眼ではわからないのですが、動画にすると画面がチラチラしているのを見たことがあるのではないでしょうか。
このフリッカーを防ぐには、東日本と西日本でシャッタースピードの数値を変えなければなりません。
東日本と西日本ではHzが異なるため、
東日本 50Hz 1/50ss or 1/100sss
西日本 60Hz 1/60ss or 1/120ss(1/120ssが無い場合は1/125ss)
を基準にするといいでしょう。
ISO
ISOはできる限り低い数値で撮影します。
ISOとは、カメラの中にある「センサー」がどれだけ光を感じ取ったかを数値にしたものです。
数値が高いほど明るく撮影できる分ノイズが強くなるため、いかにISOを低くして綺麗に撮影するかを考える必要があります。
ISOを低くして撮影するためには、F値を低くしてシャッタスピードを下げるのが良いでしょう。
しかし、先述のように動画の場合シャッタースピードはフレームレートの2倍の数値で固定するのがベストです。ISOを低くして撮影するためにF値を低くすると、ボケ感をあまり出したくない場合でもボケてしまいます。
そのため、ISOは低くかつボケ感少なめにするには、明るい場所で撮るか照明を使う必要があります。
また、撮影場所が固定なら問題無いのですが、明るい場所から暗い場所へ移動する場合には、オートにしておきましょう。
その際、事前にカメラの設定でISOの上限を決めておくのがおすすめです。
もし、ISO1600や3200でも暗い時には、以下を試してみてください。
・シャッタースピードを半分にしてみる
・F値に余裕あればさらに小さくしてみる
・照明を使ってみる
記録サイズ
記録サイズは、動画の縦横の大きさです。
3840 × 2160(4K)
1920 × 1080(フルハイビジョン)
1280 × 768 (ハイビジョン)
一般的なのはフルハイビジョンかハイビジョンで、YouTubeではフルハイビジョンが推奨されています。
4Kは綺麗な映像が撮れるのですが、データ容量が大きくなってしまいます。
例えば、世界の絶景を見てもらいたいという場合には4Kが適していますが、ノウハウ解説動画やストレッチ動画などはフルハイビジョンで十分でしょう。
フレームレート
フレームレートは、基本30fpsか60fpsで問題ないでしょう。
テレビは30fpsなので、30fpsでも違和感なく見られるはずです。
先述のように、動画は複数の静止画からできており、1秒間に入っている写真の枚数を表したものがフレームレート(fps)です。
例えば、フレームレートが60fpsだとします。
その場合、1秒間に60枚の静止画が次々に切り替わっているということです。
フレームレートは高い方が滑らかな動画になりますが、データ容量も大きくなります。
データ容量が大きいと、編集や編集後の動画データ書き出しなどの処理時間もかかってきてしまいます。
最低限、この5つの要素を気をつけていれば、初心者でも撮影可能です。
いきなり撮影本番は厳しいので、設定の練習をすることをおすすめします。
次に、動画撮影前に行う事前準備についてご紹介します。
YouTube動画撮影前に行う5つのポイント
写真撮影時の注意点とかぶるのですが、動画撮影も事前準備が肝になります。
これら事前準備を行うことで、よりイメージ通りの動画を撮影することができるので、覚えておきましょう。
撮影場所の下見
可能であれば撮影場所を下見しておきましょう。
下見内容により、カメラの設定や使用機材が変わってきます。
明るい場所だと思ったのに暗かった、交通量が多い道路が近くにあるため雑音が入るなど、行ってみないと分からないこともありますよね。
暗いなら照明を持っていかなければなりませんし、雑音が入るなら雑音が入りにくいマイクを用意する必要がありますし、その場に合わせて対応しなければなりません。
もし現場に行くことが難しければ、屋内なら撮影場所の中が分かるサイトや、屋外ならGoogle Earthでその場の雰囲気を見ておくと、撮影当日の流れがスムーズになります。
カメラの設定
撮影場所の雰囲気が分かるようであれば、事前にどういう設定にしたらベストな動画が撮れるかをイメージしておきましょう。
特に、前回使用した設定がそのまま残っている場合には、要注意です。
スローモーションのまま撮影してしまったりすると、撮り直しがきかない場合には悲惨です。
天気
天気も、カメラの設定や使用機材を左右します。
天気によって光の当たり方が変わってくるので、事前に調べておくと心構えすることができますね。
持ち物
持ち物は、撮影場所や天気などによって変わるので、事前に想定しておくと安心です。
例えば、屋外で雨の場合は傘やレインカバー、屋内で部屋が暗めな場合は照明やレフ版や白い布などですね。
明るさは出したいけど持ち物は最小限にしたい場合、白い布をレフ板代わりにしたり、撮影者自身が白い服を着ると、少し明るく撮ることができるので試してみてください。
構図
撮影場所により、被写体に寄って撮るか引いて撮るか、被写体をどこに配置するかなどを考えておく必要があります。
撮影時間には限りがあるので、当日その場で「どの位置で撮ろう?」と考えていると時間がもったいないです。必ず、事前に決めておきましょう。
動画撮影の鍵はカメラの設定と事前準備
動画撮影は難しいと諦めていたあなた、早速試したくなりましたか?
貴重な瞬間を撮影したいのに、画面がブレていたり暗かったり、そもそも録画できていなかったりという悲しい事態は避けたいですよね。
シーンに応じた対応ができるように、撮影前にシミュレーションをしたり、カメラの設定や使用する機材の確認を怠らないようにしましょう。
ちなみに、屋内で撮影する場合は部屋の電気もありますし、光に左右されることもないのでスマホでも十分撮影可能です。
しかし、屋外で撮影する場合は天気や太陽の動きによって光の当たる位置が変わるため、難易度が上がり、イメージ通りの映像にならないこともあります。
また、動きがある動画の場合、撮影してみたら被写体にピントが合ってなかったという事態にもなりかねません。
もしYouTube撮影が必要で機器も持っておらず、設定も煩雑なのであれば、プロに依頼するのも手でしょう。
レンタルPでは、撮影方法やどの程度の撮影コストが適正かなども含め無料相談を行っておりますので、下の画像をクリックしてご相談ください。