あなたは今、誰に何を売っていますか?そして、その商品は、他社の商品よりも魅力的ですか?

マーケティングや営業に関わる方ならこれらの問に明確に答えられる必要があり、かつそれが納得感のあるものでなければなりません。

逆にこれらの問に答えられないようでは、その商品を思い通りに販売することはできないでしょう。

本記事では、自社の商品を定義するのに必要な3C分析の手法についてお伝えします。

3Cで「視点の漏れ」を防ぐ!

3Cとは、「市場(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」の頭文字を取ったものです。

得てして、人は偏った見方をしてしまいがちです。
例えば、ある会社の社長が「自社の強みは◯◯だから、今年は△△の販売を強化しよう!」という戦略を宣言したとします。

この宣言には「自社(company)」の視点はあるものの「市場(customer)」「競合(competitor)」の視点が置き去りにされています。

自社の強みを活かして商品を作るということは間違ってはいないのですが、そもそもその商品は市場のニーズを捉えているのか?競合他社の商品に比べても魅力的なのか?そうした視点が抜けています。

そこで、3Cを活用して、ビジネスで考えておくべき視点の漏れを防ぐ必要があるのです。

3C分析の使い方①〜考える順番が大切〜

さて、3Cの意義を理解したら、3Cの使い方をマスターしましょう。

まず、3Cを使ってビジネスを考える際、①「市場(customer)」→②「競合(competitor)」→③「自社(company)」の順番で考えていくのが基本です。

まず、あなたが狙う「市場=顧客は誰か?」を定義します。
そうすると、自ずとあなたと同じ市場を狙うライバル=競合が見えてくるはずです。

例えば、あなたが飲食店を開くとして、まずは顧客を定義する必要があります。
女子高生をターゲットにした飲食店するなら、競合は吉野家や鳥貴族ではなく、マクドナルドやスターバックス、タピオカ店などになるでしょう。

そうしたら次に、それらの店舗よりもインスタ映えをする商品を作ろう、値段を安くしようなどといった自社の戦略を考えていくのです。

3C分析の使い方②〜市場、競合、自社それぞれの分析方法〜

さて、3Cを考える順番を理解したら、次に3つの視点毎の分析手法をマスターしましょう。

Customer:市場・顧客の分析方法

顧客を定義する方法には、「マクロ分析」と「ミクロ分析」があります。

「マクロ分析」で、社会の大きな動きから市場のリスクとチャンスを捉える

マクロ分析で良く使われるのが「PEST」分析。

PEST4つの頭文字

P:Politics(政治・法律)
E:Economy(経済)
S:Society(社会)
T:Technology(技術)

上記の4つの頭文字です。

自社のサービスが時代に逆行していてニーズがなくなってしまうケースや、最悪の場合、法的に販売ができなくなってしまうなどのリスクもあります。

この分析フレームワークを使うことで、社会の大きな変化や流れを読み間違えるリスクを防ぐのに役立ちます。また一方で、市場のチャンスが見えてくる場合もあります。

こちらのフレームワークは、別の機会に詳しく解説します。

「ミクロ分析」で、業界の小さな変化を見逃さずに、楽な勝ち方を見つける‼

社会の大きな変化や流れを読みリスク、もしくはチャンスを見つけたら、次はより具体的にビジネスを検討する必要があります。

そこで、役に立つのが「ファイブフォース分析」です。
あなたがPEST分析で見つけた有望な市場における、業界の小さな変化を見逃さないための分析手法です。

業界の変化は、外的要因と内的要因に二分されます。
さらに以下のように5(ファイブ)の要素に分解されます。

分析するための5つの要因

1.新規参入者の脅威(外的要因)
2.代替品の脅威(外的要因)
3.買い手交渉力(内的要因)
4.売り手交渉力(内的要因)
5.既存競合他社(内的要因)

5F分析によって、あなたが狙う業界がどのような構造になっていて、どこからどのような圧力が働いているのか細かく(ミクロに)把握することができます。

立ち回り方によって、こうした業界の圧力に逆らうことも、活かすこともできます。
せっかくなら、業界の圧力を活かしてビジネスを有利に進めたいですよね。

ファイブフォース分析についても、別の機会に詳しく解説します。

Competitor:競合の分析方法

競合の分析方法は、「結果」と「要因」の2軸でおこないます。

まずは、業界のプレイヤーの顧客数、売上、利益、広告費等の経費と利益率、社員一人あたりの生産性、などの成績=「結果」を調査します。

そして、あなたが目指し追い越すべき業界のライバル=競合を定義しましょう。

そして、あなたのライバルは、なぜそのような結果をえられたのか?という「要因」を分析しましょう。

強力な仕入れルートを持っている、効率的な製造工程を確立している、サポートが充実していてリピート率が高い、などの要因があるでしょう。

あなたは、競合のそうした、結果に至る要因=強みに勝つ必要があります。

Company:自社の分析方法

市場、競合が定義できたら、ようやく最後に自社の立ち回り方を考えます。
その際に使えるフレームワークに「SWOT分析」があります。

SWOT分析は、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの頭文字を取ったものです。
内的要素であるStrength(強み)、Weakness(弱み)と、外的要素であるOpportunity(機会)、Threat(脅威)の掛け合わせた以下の4パターンで考えます。

SWOT分析

①Strength(強み)× Opportunity(機会)=チャンスを掴むには、強みをどうのように活かしたらよいのか?
②Weakness(弱み)× Opportunity(機会)=チャンスを掴むには、弱みをどのように克服したらよいのか?
③Strength(強み)× Threat(リスク)=リスクを回避するには、強みをどうのように活かしたらよいのか?
④Weakness(弱み)× Threat(リスク)=リスクを回避するには、弱みをどのように克服したらよいのか?

こうした分析を通じて自社の戦略を考えます。

SWOT分析の詳しい解説も別記事にておこないます。

3Cで正しい戦略を考えよう

さて、ビジネス上の戦略を考える上で、想定外のリスクをなくすことと、来るべきチャンスを捉えて掴むことが重要になります。

そのために、3C分析で視点の抜け漏れをなくして、ビジネスを有利に運ぶための正しい戦略を考えられるようにしましょう。