あなたは、「続きが気になりすぎて、そのことばかり考えてしまう」という経験をしたことはありませんか？
例えば、毎週楽しみにしている刑事ドラマがあるとします。
主人公がずっと追っていた犯人がやっと判明しそうなシーンで狙っていたかのようにドラマが終わってしまい、結末がどうなるのか来週まで待てないといった経験はありませんか？
このように、中途半端に終わった事柄に対して記憶が残りやすくなる現象のことを心理学では「ツァイガルニク効果」といいます。
今回はこの「ツァイガルニク効果」をマーケティングに応用するとどうなるかについて解説します。
ツァイガルニク効果を体感しよう
例えば、以下の2つのタイトルの記事があったとします。
あなたはどちらの記事のほうが気になりますか？
① 「誰でも簡単に痩せられるダイエット方法は〇〇を食べるだけ！」
② 「誰でも簡単に痩せられるダイエット方法はリンゴを食べるだけ！」
2つのタイトルの違いは、答えのワードを出しているかどうかです。
1つ目のタイトルは答えを出していないため、答えが何であるのか気になるのではないでしょうか。
このようにタイトルで答えを出さず、未完成で終わっているタイトルだからこそ続きが気になる。これがまさにツァイガルニク効果です。
ツァイガルニク効果の3つのポイント
ツァイガルニク効果から学べるポイントは以下の3つです。
① 人間は、完成しているものよりも未完成なものに興味を持つ傾向があること
② ツァイガルニク効果は、勉強、恋愛、仕事など日常で幅広く応用できること
③ ツァイガルニク効果を使いすぎると心理的ストレスになること
では、このポイントを踏まえた上でどのようにマーケティングに応用できるのか見ていきましょう。
ツァイガルニク効果を応用した2つのマーケティング事例
ここでは、2つの応用例を紹介します。
ツァイガルニク効果を応用したマーケティングでは「全部を見せないこと」がポイントです。
顧客に気になる情報の一部だけを見せることで、続きが気になって思わず行動してしまう、このような気持ちになってもらうことが重要です。
①電子書籍の無料試し読み
電子書籍を購入する時、初めにサンプルを無料ダウンロードできるものあります。
気になる書籍を購入するか迷っている人は、無料ならダウンロードして読んでみようとなるでしょう。
読んでいくうちに、どんどんその電子書籍にハマっていきます。しかし、話の良いところでサンプルは終わってしまいます。
そうなると続きが気になってそのまま購入してしまいます。これもツァイガルニク効果を利用したマーケティングの応用例です。
無料で電子書籍を読めるようにすることは、一見損するようにも思えますが、「続きが気になる」という顧客の心理を利用することでと購入につなげることができるのです。
② メールマガジンのステップメール
ステップメールとは、資料のダウンロードや無料会員等の「あるアクション」を実行したユーザーに対して、事前に用意した複数のメールを一定期間配信するものです。
そして、一定期間、無料で顧客に有益な情報を配信することで顧客との関係を構築しつつ、無料期間終了後、商品購入や有料プランへの変更を促すものです。
これも、顧客の「気になる」を引き出し、注目させるというツァイガルニク効果を応用したマーケティング方法の一つです。
ツァイガルニク効果をマーケティングに応用する際に気をつけるポイント
ここまででツァイガルニク効果をマーケティングにどのように応用するか説明してきましたが、ツァイガルニク効果は使いすぎると逆効果になることもあります。
上記、ポイント③でも紹介したように、ツァイガルニク効果は使いすぎると心理的ストレスになります。
例えば、申込みページに顧客が気になる情報をいくつも載せたとします。すると顧客はいろんなことが気になってしまい、心理的ストレスを感じてしまいます。
ツァイガルニク効果は、「先が気になる」「続きが気になる」と顧客に思わせることでストレスを与え、そこから自由になりたいと思わせることで、次の行動を促します。
しかし、ストレスがありすぎると、顧客は行動を起こせなくなります。
あなたも、情報量が多いウェブサイトを見るとめんどくさいと感じ離脱したことはありませんか？
このようにツァイガルニク効果は使いすぎると顧客が心理的ストレスを感じ、注目してもらえなくなるという逆効果を生むこともあります。
そのため、申込時や契約時に気になる情報を中途半端に隠しすぎることは避けましょう。
ツァイガルニク効果を正しく使い、日常で幅広く応用しよう
本記事で、ツァイガルニク効果は、顧客の「気になる」という心理を利用することでマーケティングに応用できることがおわかりいただけたと思います。
その他にも、「未完成な事柄に対しては強く印象に残る」という脳の特性を使うことで勉強や恋愛にも応用できます。
例えば、勉強では、わざと中途半端なところで終わらせることで、やる気を持続させるができます。
また、恋愛では、LINEなどでメッセージをすぐに返さないことで相手の「気になる」を引き出すこともできます。
あなたも、仕事や勉強、恋愛など日常生活の中でツァイガルニク効果を意識してみてはいかがでしょうか。
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