ビジネス基礎講座

顧客の真のニーズとは?ジョブ理論のマーケティング実践4STEP

あなたは「顧客が求める商品を提供するにはどうすれば良いのだろう」と悩んだことはありませんか?

顧客の真のニーズを正しく把握し、そのニーズに合った商品やサービスを提供するためには、ジョブ理論の活用が有効です。

ジョブ理論を理解できると、顧客のニーズの誤認識や的はずれな商品開発をするリスクを減らして、新たな顧客の獲得が見込めます。

本記事ではジョブ理論とは何か、そしてジョブ理論を活用したマーケティング方法について紹介します。

顧客自身も気付いていない真のニーズを特定する「ジョブ理論」とは

ジョブ理論とは、「客はどうしてその商品を買うのか」という視点から顧客のもつニーズを見出す理論です。

これは名門ハーバード・ビジネススクールのフレイトン・クリステンセン教授が発表したもので、マーケティングで活用されています。

従来、顧客のニーズ調査の方法は、アンケートやインタビューの実施がメインでした。

しかしジョブ理論ではこのようなアンケート調査で分かる顧客のニーズはあくまでも表面的なものであるとし、アンケート調査はせずに、顧客がその商品を購入および利用する状況を細かく分析するという方法を使っています。

ジョブ理論を使って顧客の真のニーズを正しく分析できれば、商品に対する顧客満足度や反響率もぐんと上がるので、ビジネスを成功させるためにもきちんと理解しておきましょう。

ジョブ理論の理解を深める2つのポイント

ジョブ理論の「ジョブ」とは「特定の状況で顧客が成し遂げたい進歩」を意味します。これだけ聞くと難しいですが、簡単にいうと「客がその商品を買うことで解決できると思っている事柄(悩みや現状)」のことです。

ここではジョブ理論の理解を深めるためのポイントを2つ紹介します。

①:顧客の商品購入時と、その前後の状況をストーリー仕立てで考えるようにする

ジョブ理論では、特定の状況として、顧客が商品やサービスを購入する時だけでなく購入前後の状況も併せて1つのストーリーとして考えます。

例えばスポーツドリンクを買っている顧客に対してストーリーを考えると、

・購入前:たくさん歩いて喉が乾いているから、何か飲みたいと思う
・購入時:汗をかいたのでスポーツドリンクを選んだが、甘すぎて余計喉が乾いた
・購入後:もうこの商品は買わない。次は別のものを買おう。

という流れがあったとします。

このストーリーだと、対象のスポーツドリンクは「喉の乾きを解消したい」と思う顧客からは甘すぎるという理由で人気が出ず、売上にならないことが予想できます。

このように人は置かれた状況によって何を選ぶかが変わるので、何を買ったかという商品の種類だけを見るのではなく、購入する前後にどんなストーリーがあったのかを常に考えるようにしましょう。

②:顧客が達成したい目標を的確に掴む視点を持つ

ジョブ理論では、顧客が商品に対して、「ただそれが欲しいから」といった表面的なニーズではなく、「この商品を利用することで何を得たいと思っているのか」という視点で顧客分析をしています。

商品を売る側としては、どうしてもサービスの観点で分析をしてしまいがちですが、そうなると根本的に顧客が何を求めているのかという視点が薄れ、的外れな商品開発に繋がるリスクがあります。

先程のスポーツドリンクの例だと、

・サービス目線(的外れな分析):顧客は飲み物を買いたいと思って買うのだから、もっと美味しさを追求してより良い材料を使ったドリンクに改良しよう。

・顧客目線(達成したい真のニーズ):喉の乾きを潤したくて買うのだから、薄味でさっぱりした飲み物に改良してほしい。

となり、両者間の目線にギャップがあるのが分かります。

このように分析する視点を間違えると、顧客が商品を通して達成したい目標とかけ離れたものしか作れませんよね。

しかしここでしっかりと「客は喉の乾きを潤したいから買う」という願望に気付き、それに基づいた商品開発ができれば、ヒット商品を生み出せます。

顧客に対して的外れなサービスを提供しないためにも、顧客が達成したい目標に着目するようにしましょう。

ジョブ理論を活用したマーケティング実践法5STEP

①:顧客の特徴を分析する

まずは商品やサービスを提供する対象にはどういう顧客がいるのかを明確にします。例えば年齢や性別、生活スタイルなどから商品やサービスを提供する対象の顧客属性を絞ると良いでしょう。

ターゲット層を決定したら、ジョブ理論の効果を最大限発揮させるために、顧客の行動特性をより詳しく把握していきます。 特性を調べるにあたっては、ネットの情報だけで憶測するのではなく、現地に出向いて特定のターゲットの行動観察をしたり、実際に声をかけて情報収集をして、生のデータを集めることが重要です。

こうしてデータを蓄積することで、顧客に対する理解が深まり、ジョブの特定が容易になります。

②:顧客の状況を整理し、ジョブを特定する

対象顧客の選定と分析が終わったら、その顧客が商品やサービスを購入する前後と最中の特定の状況を整理していきましょう。
特にジョブ理論による効果を高めるために、顧客がジョブを解決できたか否かがはっきりと分かるタイミングとなる「商品やサービスを購入した後の状況」を重視しましょう。
商品利用後の顧客の感情や行動にはサービスの改良に役立つアイデアが詰まっているので、必ず状況を整理して、顧客の動きを見ることがおすすめです。
こうして状況が整理できたら、顧客が成し遂げたい真のニーズ(ジョブ)を特定します。

③:提供する商品やサービスに対する障害を予想する

ジョブを特定したら、次は商品を考案すれば良いのですが、商品を作ったからといって、必ずしも全ての顧客がそれを使用してくれるとは限りませんよね。
例えば他の製品を既に使っていて移行に手間やコストがかかったり、新商品に対する不信感が少しでも残っているのであれば、これが提供する商品やサービスに対する障害となります。

一方で事前に障害を予想することができれば、対応策を考えることが可能です。

先程の例からいうと、

・移行にかかる手数料や手続きは弊社負担にする
・新商品の無料お試し期間を設ける
・試用した結果、不満があれば、1ヶ月以内は全額返金保証

といった顧客の不安を軽減させる内容が有効でしょう。
このように商品提供に対する障害を予測すると同時に、障害予防策もしっかり提供できるよう準備すると良いでしょう。

④:ジョブを解決するための条件出しをし、事業アイデアを決定する

次はジョブの解決策として何が必要かという条件出しをします。
例えば顧客が飲み物を探している場面でも、「運動後なので喉の乾きを解消したい」「雪かきをしたから寒さと疲れを解消したい」という様々な真のニーズがあります。
この場合のジョブ解決のための条件は、前者なら「冷たくて喉越しの良いさっぱりした味の飲み物」であることですし、後者なら「温かくてとろみのある飲みごたえのある飲み物」であることです。

はじめに条件設定を行なえば、具体的な事業アイデアを考えやすくなるので、欠かさず行なうことが大切です。

ここまで来たら、最後に顧客のジョブを解決できる具体的なアイデアを決定します。
つまり商品に使う素材やパッケージのデザイン、温感や感触などの細かい設定です。
こうして顧客の真のニーズにぴったり合ったアイデアを決定することで、ジョブの解決はもちろん、顧客からの反響率も上げる商品を作り出すことができます。

ジョブ理論で顧客の真のニーズを掴んで、マーケティングに活かそう

ジョブ理論を活用し、顧客の真のニーズを特定すれば、反響率の高い商品やサービスを簡単に作ることができます。

表面上のニーズではなく、顧客の購買環境や利用状況を直接観察し、客目線の意見を取り入れることは、既存商品の中から新しいアイデアを生み出すきっかけにもなります。
ぜひジョブ理論を活用してマーケティングを成功させ、売れる商品を作ってみてくださいね。

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