あなたには、熱狂的なファンがいますか?

SNSが主流なマーケティングチャネルとなっている現代社会では、
twitterのフォロワーが100万人いるひとなら1億円を稼ぐのは難しくないと言われています。

アイドルや芸能人に限らず、熱狂的な支持をしてくれるファン作りはビジネスやマーケティングにおいて、重要な観点です。

今回は、あなたを熱狂的に支持してくれる顧客、すなわちファン作りの心理効果を3つご紹介します。

ファン作りの心理効果①「単純接触効果」

単純接触効果とは

単純接触効果とは心理学の法則の1つで、「接触頻度を増やすことで、相手から好意を持ってもらいやすくなる」という効果が特徴です。

この法則はアメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが発表した論文で知られるようになり、彼の名前をとって“ザイアンス効果”とも呼ばれています。

なぜ、接触頻度が増えると好きになるのか?

なぜ接触頻度が増えると、好感度が上がるのでしょうか。

脳は知らないものに接したとき「これはどんなものなのか」「この人はどんな人なのか」と情報処理をするのに疲れてしまうと言います。

一方、既に知っているものは、脳が行う情報処理がスムーズになるため、肯定的な感情を抱くようになると考えられています。

接触頻度を増やすことで、相手に自分の存在を認識して「既に知っているもの」になることで相手に親近感や肯定的な感情を持ってもらいやすくなるのです。

何度も会いに行くことで単純接触頻度を上げる

単純接触効果は、ビジネスの場面でも有効活用することができます。

顧客の心の中に占める特定ブランドの占有率の事を「マインドシェア」と呼びますが、ポジティブな印象として、マインドシェアを高めることで購入に繋がりやすくなると言われています。

この、マインドシェアを高めるのに単純接触は重要だと言えます。

例えばセールスマンであれば、何度も取引先に出向いて顔を出すことも、相手との接触頻度を増やしてマインドシェアを高めるのに有効です。

どうしても取引したいお客様であれば、何かと訪問する理由を見つけては相手に会いに行くというのも大切かもしれません。

今では、そういった営業を「古臭い」と呼ぶ方もいるかも知れませんが、実は心理効果に基づいた行動なんですね。

会わずに接触頻度を上げる方法

実際に相手に対面することだけが「接触」ではなく、見たり聞いたりすることも「接触」の中に含まれます。

わざわざそのために訪問するというのが大変であれば、例えば近くによった時に挨拶に行くとか、対面しなくても定期的にお手紙やお菓子を届けるというのでもいいでしょう。

あるいは最も簡単なのは定期的に、メッセージツールで連絡をするというのもひとつの単純接触効果を上げるテクニックです。

また、最近はSNSやYouTubeなどを使って、会わずしてよく知ってもらうということも可能になってきました。

SNSやYou Tubeを通じてでも、毎日のように見たり、聞いたりすることでよく知らなかったもから、よく知っているものへと変化することで好意を持ってもらいやすくなります。

ファン作りの心理効果②「ランチョンテクニック」

ランチョンテクニックとは

食事をしながら交渉事をする手法ランチョンテクニックといいます。
美味しい食事をしている間は良い印象を与えることができるので、交渉の成功率を上げることができると言われています。

よく、社長や政治家が「会食」と言って人と会っているのを聞きますよね。
偉い人は、ご飯を食べたり遊んでいて楽しそうだなぁということではなく、実は「会食」は交渉を有利に運ぶための戦略だということなんですね。

なぜランチョンテクニックが交渉に有利なのか?

ランチョンテクニックが交渉事に有効な理由は、美味しいものを食べたことの幸福感により相手に好意的になるからです。

また、食事をしている間は良い雰囲気でいたいとたいていの人は思うので、態度をやわらげること多いことも有効な理由の一つでしょう。

この理由を理解できれば、必ずしも「食事」だけが交渉に有利であるとも限らないということが分かりますよね。

例えば、よく経営者はゴルフをしたり麻雀をしたりしますが、これも楽しいことを一緒に行うことで、相手に対して好意的な印象を持ちやすくなるからですね。

交渉が難航しているときは、あえて会議室で打ち合わせするのではなく「ランチをしながらお話しませんか?」と切り出してみるのも一手でしょう。

ファン作りの心理効果③「アンダードッグ効果」

アンダードッグ効果とは

アンダードッグとは負け犬を意味する言葉です。

アンダードッグ効果とは、勝負に不利な方に同情票が集まる効果です。
選挙の勝敗予測で劣勢にあると報じられた候補者に対し、同情から多くの票が集まり、逆転勝利へと繋がる現象がしばしばおこることが由来となっています。

例えば、

・大柄な選手と小柄な選手が戦う試合で、小柄な選手の方を応援したくなる
・「特に勉強してもいないのに成績がいい人」と「頑張っているのになかなか成績が伸びない人」がいた場合、後者を応援したくなる。

などはアンダードッグ効果によるものです。

アンダードッグ効果をビジネスに活かす方法

アンダードッグ効果の本質は同情心や共感です。

売れないアイドルが、路上ライブなどを通じて誠実に頑張っている姿に同情や共感を集めてファンが集まり結果的に有名なアイドルになっていくというストーリーはまさにアンダードッグ効果です。

アイドル、芸能人、スポーツチームなどファンの獲得が必要なビジネスなどにはこのアンダードッグ効果は有効であると言えます。

キャラクターマーケティングにもアンダードッグ効果が有効

また、マーケティング手法として、「キャラクターマーケティング」という手法が使われることがあります。食品メーカーではよく使われていますが、愛されるマスコットキャラクターを作って、SNSやCMなどでプロモーションする方法です。

このキャラクターマーケティングには、アンダードッグ効果が有効です。

例えば、愛らしいキャラクターが必死にティッシュ配りをしたり、頑張って商品を宣伝している姿をSNSなどで発信することで、人々の共感や同情にアプローチすることができます。

なんとか応援したいという思いから商品の購入につながるケースもあり、これはまさにアンダードッグ効果の成功事例でしょう。

テクニックを押さえて、ビジネスに活用しよう

今回は、マーケティングや営業など、ビジネスに使える心理効果をご紹介しました。

ファンを獲得し、相手の好感を勝ち取っている営業マンやマーケティング事例には、こうした心理効果が作用しているケースが多くあります。

こうした知識を活用して、ビジネスを有利に運ぶようにしてみてください。