あなたは「人を動かすことができるようなプレゼンがしたいけれど、どうすれば良いのか分からない…」と悩んでいませんか?

人前で堂々と話し、相手から支持を得る方法を理解するための近道は「ヒトラー演説理論」を学ぶことです。

ヒトラー演説理論とは、ドイツの総督であったヒトラー自身が使っていた演説法であり、これを理解して伝え方のポイントを押さえることで、誰でも簡単に聞く人の心を掴む話術を身につけることができます。

本記事ではヒトラー演説理論の要点、そしてヒトラー演説理論のビジネスにおける活用方法について紹介します。

巧みな話術をもった独裁者、アドルフ・ヒトラーとは

アドルフ・ヒトラーとは第二次世界大戦下のドイツ国家の総督であり、多くのユダヤ人を虐殺した「負のリーダー」として歴史に名を残す人物です。

ヒトラーという名前とユダヤ人の大量虐殺というワードは学生時代に教科書で読んで覚えている方も多いのではないでしょうか。

このように悪しき独裁者として知られるヒトラーですが、実は彼は国民に向けた地道な演説を繰り返すことで、国民から信頼を獲得した人物でもあるのです。

では、なぜヒトラーは独裁者であるにも関わらず、リーダーとなって熱狂的な支持を得たのか…その要因は彼が持つ巧みな話術にあります。

つまりヒトラーは人を惹きつける伝え方のテクニックを活かして国民の心を意のままに操っていたのです。

史実からも、ヒトラーが国家のリーダーとしてカリスマ性を放っていたことは確かです。
なのでヒトラーが実践していた演説理論からは、現代を生きる私達が学ぶべきものも多くあるといえるでしょう。

ヒトラーが使った4つの演説(プレゼン)テクニック

①:必ず夕方に演説(プレゼン)をする

ヒトラーの演説は、夕方以降の時間帯に設定されていました。

というのは、夕方になると労働の疲れで思考力が鈍くなるので、自分の意見を通しやすい土台を作ることができるからです。

もちろんこのテクニックは悪用厳禁ですが、ヒトラーほどの人心掌握に長けた人物であっても、環境調整を怠らないということがわかる、教訓になるでしょう。

②:短く、具体的なキーフレーズを掲げ、何度も言う

ヒトラーは演説中に「すべての労働者に職とパンを」という短くも具体的な内容を盛り込んだキーフレーズを何度も決め台詞のように言っていました。

ヒトラーが掲げたこのキーフレーズは、当時大恐慌で職を無くし、生活に困っていたドイツ民にとっても簡潔で分かりやすいという理由で、国民から絶大な支持を集めるきっかけとなったものです。

つまり具体的で誰が聞いてもイメージがしやすいフレーズを繰り返し伝えることで、相手からの理解や支持を得やすくするというテクニックです。

③:言葉以外にも沈黙やジェスチャーを駆使して注目を集める

ヒトラーは演説を始める際にいきなり話し始めるのではなく、国民が自分の話を聞く雰囲気になるまでは一言も発さずに演説台の上に立ったまま、何分も沈黙を貫きました。

話者が沈黙していると、聞き手としては「この人は何を話すのだろう」「いつ話し始めるのだろう」と感じ、より注意深く相手を見るようになります。これも聞き手に自分の声をしっかり届けるためにヒトラーが仕掛けたテクニックです。

またヒトラーの演説中に手を大きく振り上げたり何かを抱きしめるような特徴的な動作をして、話し出してからも人々の注目を集め続けるよう工夫していました。

④:人の心を動かすストーリー構成や演出を欠かさない

ヒトラーは演説時にはいつも自分と国民を主人公にしたサクセスストーリーを語り、その中で富裕層やユダヤ人を共通の敵として登場させることで国民の心を掴みました。

さらにドイツの戦争下における厳しい生活や辛い現実を語り、そこから「これらの障害を一緒に乗り越えてドイツに栄光を取り戻そう」と熱弁して国民を煽動します。

これは「ロミオとジュリエット効果」とも呼ばれる手法で、「目的に対しての障害が大きければ大きいほど、それを乗り越えて達成しようとする気持ちが高まる」という心理効果をうまく利用したテクニックです。

ヒトラー演説理論をプレゼンに活かすための2つのポイント

①:テーマや売り文句を、身振り手振りを交えて繰り返し伝える

ビジネストークの場合、ダラダラと喋っているだけで何が伝えたいのか相手が分からくなってしまうのが1番ダメですよね。

あらかじめ商材のテーマや売りを簡潔にアピールできるキーフレーズを決めておくのがおすすめです。キーフレーズを決めたら言い回しや語尾をアレンジしつつも、相手に繰り返し伝えましょう。

何度も同じことを伝えると、自然と相手の脳にそのフレーズが刷り込まれていき、話者が強制しなくても相手の心を動かしやすい状況が作れるのです。

同時に身振り手振りを使うことで、相手に話の内容をより深く印象づけ、自分の感情に共感してもらいやすくなるという特徴があります。

特に日本人は恥じらいもあるのか、あまりジェスチャーをしませんが、取り入れれば相手の注目を集めやすくなるので、練習してみるのも良いでしょう。

②:二者択一の問いかけを使う

ビジネスシーンではキーフレーズの中に二者択一の要素を入れておくとさらに相手の反響率が上がります。

ヒトラーも演説の中で「ユダヤ人に支配されるままか、それとも皆殺しか」と問いかけることで、国民の意識を「支配されるくらいなら皆殺しだ」と煽動しました。

これをビジネスに応用すると「Aという商品があるのですが、いかがでしょう?」と言うよりも「○○できる最新型のAという商品と、○○はできない従来型のBの商品がありますが、どちらが良いですか?」という言い回しで相手に問いかけた方が良いということです。

同じ内容を伝えたい場合でも、言い回しひとつで反響が変わってくるので、問いかけは二者択一の問いを意識してみましょう。

ヒトラー演説理論を活用して相手の心を掴む話し方を身につけよう

自分の話に相手の興味を惹きつけ、支持してもらうためには、ヒトラー演説理論を使った伝え方が有効です。

話す相手や場所に合わせて無理のない範囲で身振り手振り話の中にキーフレーズの繰り返しを入れて、相手の注目を集めて、伝えたいことをしっかり刷り込みましょう

これさえできれば、自分の話に対する相手からの反応や支持率もぐんと上がります。

ヒトラー演説理論はいくつかあるポイントの中からすぐにできそうなものを選んで手軽に始められるので、ビジネスシーンはもちろん、プレゼンや面接の場でぜひ使って、相手の反応の違いを感じてみてくださいね。