人や会社は、あるべき理想の姿に到達するために、現状の姿をきちんと把握して、そのギャップを認識することから成長の方向性が定まります。
現状の自身の強みや弱みをきちんと整理して、自分が置かれている市場においてより価値のある姿になるためには、何を改善し、また何を伸ばしていくべきなのか?
そうした問に答えるフレームワークがSWOT分析になります。
就職活動をした方であれば、業界分析や、自己分析をした方もいるでしょう。
そうした分析をフレームワーク化して、ビジネスにおいても適用できるようにしたものがSWOT分析になります。
SWOT分析とは何か?
SWOT分析とは(スウォット分析)、「強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)」の頭文字から命名されたフレームワークです。
非常にシンプルなフレームワークで、ビジネスだけでなく、就活や婚活にも使えそうですね。機会と脅威は、チャンスとピンチだと理解すれば更に分かりやすいでしょう。
また、SWOTを2つに分解すると、SW(強みと弱み)とOT(チャンスとピンチ)に分けられます。
SW(強みと弱み)は自身の「内部要因」を分析するもの、OT(チャンスとピンチ)は、市場の環境など自身の「外部要因」を分析するものと捉えておきましょう。
OT➔STの順番で、外部、内部の要因を分析してみよう!
SWOT分析は、「OT(外部要因)」➔「SW(内部要因)」の順番で考えていくべきだと言われています。なぜなら、私達は、ある特定の市場で勝負する必要があるため、まずは自身が勝負をしなければいけない市場の環境やルール、すなわち外部要因の把握が何よりも大切だからです。
対戦ゲームをするのに、まずは、ゲームのルールを知ることが重要なのと同様です。自分の立ち振る舞いを考えるのはその後です。
それでは、以下に各々を解説します。
外部要因分析(OT)
まずは市場や社会におけるチャンスとピンチを把握します。
市場や社会の情勢をマクロに分析するフレームワークにPEST分析があります。
「Politics:政治」「Economy:経済」「Society:社会」「Technology:技術」の4項目です。これらそれぞれの観点から、自身のビジネスの業界で、チャンスになりそうなこととピンチになりそうなことをそれぞれ洗い出すと良いでしょう。
また、5フォース分析というものもあります。PEST分析よりもよりミクロに業界の構造を理解するのに役に立ちます。
内部要因分析(SW)
市場や業界のチャンスとピンチを把握できたら、次に自身の強みと弱みを把握しましょう。
その際、主観的に決めるのではなく、客観的な事実やデータ(数字)を元にして考えると良いでしょう。
就活の際も自己分析で自分の強みや弱みは親や友人に聞く方が良いといわれたことはありませんか?主観で考えるとバイアスがかかってしまうため、なるべく客観的な事実から考えたほうが良いでしょう。
ビジネスにおいて、強み、弱みを分析する際は、4Pなどのフレームワークを使っても良いでしょう。4Pは「Product:製品サービス」「Price:価格」「Place:立地、流通チャネル」「Promotion:販促」からなる自社サービスの分析の手法です。
4Pのそれぞれの観点から、自社製品を整理してみるのが良いでしょう。
OT、SWをそれぞれ掛け合わせて、「戦略」を考えてみましょう
さて、OTとSWをそれぞれ整理したら、ただ整理するだけでは意味がありません。
それぞれの掛け合わせから、戦略を考えて見ましょう。
S強み × Oチャンス
自社の強みを使ってどのようにチャンスを掴めばよいのか?という観点で戦略をたててみましょう。会社や事業のさらなる発展の糸口を発見することができます。
S強み × Tピンチ
自社の強みを活かすことで、ピンチを回避する方法を考えてみましょう。ピンチはチャンスという言葉もあります。市場の脅威に打ち勝つ事ができれば競合から出し抜いて業界を席巻することができるチャンスにもなるでしょう。
W弱み × Oチャンス
自社の弱みを克服、補強してチャンスを掴むための方法を考えましょう。せっかくのチャンスを活かすために、自社の弱みを克服するのか、それとも今回のチャンスは見逃して、強みだけで勝負をするのか?そんな議論をしても良いかもしれません。
W弱み × Tピンチ
自社の弱みを克服して、ピンチを回避する方法を考えましょう。こちらはW×Oとは異なり、解決策を講じるのが必須の部分になるでしょう。自社の弱みと市場のピンチが重なり、ダイレクトに影響を受けてしまうことは事業存続の可否に関わる大きな脅威になってしまいます。
そうしたことがないように、ピンチの影響を受けないために、あるいは最小限に抑えるために、弱みをどのように補強・克服するべきかしっかりと考えておきましょう。
SWOT分析を活用して、成長の糸口を見つけ出そう!
現状の姿を正しく捉えることが、あるべき姿への道筋を考える第一のステップです。
SWOT分析を通じて、今後の改善ポイントとさらなる成長のポイントを抑えて、事業戦略を考えてみましょう。
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