同じ商品を売っているのに、売れる営業マンと売れない営業マンがいます。
それは、同じ現象・事実でも、「伝え方」次第で顧客の価値の感じ方が変わるからです。
優秀なセールスマンや、マーケターは、意識している・していないに関わらず、複数の心理効果を利用して、上手に人の受け取り方をコントロールしています。
本記事では、顧客に価値を感じてもらうための心理効果である「リフレーミング」と「アンカーリング」をご紹介します。
①:リフレーミング
リフレーミングとは、「ある出来事や物事を、今の見方とは違った見方をすることで、それらの意味を変化させて、気分や感情を変えること」とされています。
元々リフレーミングは心理療法として使われていたものです。
同じものを見ていても、その解釈は人によって異なります。
一般的な解釈とは異なる解釈ができれば、短所だと思っていたものを長所に変えることもできます。場合によっては新しいビジネスチャンスを生み出すことにもなります。
リフレーミングの事例
例えば、以下のように短所は長所として捉えることもできます。
口が軽い➔素直で嘘をつかない
人にすぐに合わせる➔協調性がある
取越し苦労が多い➔慎重で思慮深い
甘えん坊➔誰にでも愛されるキャラ
これによって、ネガティブに捉えてしまうような現象も、ポジティブに捉えることができるようになります。
ビジネスで、リフレーミングが活用された事例としては以下の2つが挙げられます。
・苦い青汁を「まずい〜!もう一杯」と宣伝するCMで売れた
・靴が売れないと言われていた裸足で暮らす村であえて靴を販売してシェアを独占する
リフレーミングの方法
これらのリフレーミングをするためには、「他にどのような意味があるか?」「他にどのような表現ができるか?」などの質問を自分に問いかけするのが有効です。
主体者をリフレーミングする
仕事に行き詰まった時、「もし上司の〇〇さんだったら」と考えると、今までの自分に無い発想や意思決定ができることがあります。
これも、自分の発想という枠組みを超えるリフレーミングの効果です。
時間の枠をリフレーミングする
時間の軸を変えることで捉え方をかえるというリフレーミングの仕方もあります。
例えば、なにか失敗をしてしまった時、
「未来の自分からみると、この失敗はどう感じるだろうか」と捉えることで、ただ落ち込むだけでなく、「失敗が起きたのが今でよかった、未来のために行動しよう」という捉え方ができるようになります。
分解してリフレーミングする
枠組みを分解して、焦点を変えるリフレーミングのやり方です。
「なんとなく、自分には才能が無い気がする」という漠然とした課題感があったとします。
それらを分解するのもリフレーミングの手法の一つです。
5W1Hに沿って下記のように深堀りをしていきます。
・具体的にどんな才能がないのか?
・特にどんな場面で才能がないのだろうか
・どれぐらいないのか
・どれぐらいだったらあるのか
・誰と比べてないのか
・何と比べてないのか?
といった形で、深堀りをして、自分の「才能がない」という漠然とした課題を分解するのです。
この問いによって、漠然と才能がないと思っていたものが、もっとピンポイントに「コミュニケーションの能力がない」とか「経営学の知識が足りない」など題の具体性が上がり、対策も取りやすくなります。
②:アンカーリング
アンカーリングとは、 アンカーと呼ばれる先に与える情報が判断の軸となり、アンカーに近づく心理学の現象のことです。
別の言い方では「条件付け」と言い換えることができます。
たとえば、有名なパブロフの犬の話があります。
犬に餌をあげるとき毎回同じ音色のベルを鳴らして、餌を与えます。
この行為を何度も繰り返すと、ベルを鳴らしただけで、犬の脳は餌が与えられることに結びついているので、ヨダレを垂らすようになるというものです。
このベルの音が、条件付け=アンカーリングになっているということです。
アンカーリングで数字の印象を変える方法
マーケティングにおいては最初に高い金額を表示して、後で出した金額が割安に感じられるというテクニックが使われますが、これはアンカーリングが利用されています。
最初に提示した金額が基準になるため、あとから出す金額が本来高い金額だとしても、お得に感じてしまうというものです。
例えば、最初にメーカー希望小売価格や通常の販売価格の大きな数字を出しておき、それを打ち消す形で最初よりは低い数字の実際の売値を見せるような表現は、健康食品の宣伝HPなどでも活用されています。
その逆に、最初に出す数字を小さくすることで、あとから出す数字を大きく感じさせることも可能です。
例えば、内容量、保証期間など、その数字が大きいほうが価値があるものについては、この手法が有効です。
アンカーリングで判断基準を印象づける方法
アンカーリングでは、相手に意思決定の基準を与えるのにも効果的です。
例えば、高額だけど質の高い商品を販売をする際は、クロージングする前に
「安くても効果の出ないサービスは買わないほうがいい」「少々高くても、成果が出て投資の回収ができるのであればそのようなサービスを買うべきだ」という判断基準を事前に伝えておくことで、高額でも売れやすくなります。
他にも、その日中に契約を取りたい商談では、事前に
「もしこの商品が気に入らなかったらきっぱりお断りください、その代わりもし良いと思って頂けたら、契約してくださいね」「良いと思ったら、意思決定をダラダラと長引かせずにすぐに決めるほうが良い」「すぐに始める人がうまくいく」という前置きが有効です。
こうした前置きをすることで、その日中に決済を貰える可能性が高くなります。
心理効果を活用して、判断や捉え方をコントロールしよう
今回は、同じ事実でも、心理効果によってその捉え方が変わるという話でした。
その中でも特にビジネスに使いやすい「リフレーミング」「アンカーリング」を紹介しました。
これらのテクニックを活用して、是非、セールスやマーケティングを有利に運ぶようにしてみてくださいね。
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